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2005年01月02日(日)
第35回 EV(ARK-1)作成教室
年が明けていよいよ2005年。
間宮海峡アタックの年であり、地球温暖化防止条約(京都議定書)が発効を迎える年でもある。
1990年の基準年に対し、6%のGreen House Gas 削減を国際的に公約している日本が置かれた状況は苦しい。
運輸部門でもかなりの排出二酸化炭素の削減が求められるであろうことは想像に難くない。
我々ZEVEXが間宮海峡横断で体言しようとしている、風力発電と太陽電池から造った電気だけで電気自動車(EV)を走らせることの意義。
何故ゼロエミッションなのか?何故再生可能エネルギーなのか?何故4WDなのか?
そんな事も徐々に世間の理解を得られるようになるかもしれない。
植村直己さんに代表される20世紀型の冒険では、単に人間力の可能性を示せればそれで充分過ぎる程の意義が有った。
だから彼は国民の英雄なのだ。
が、人類の文明が地球という星の寸法に追いついてしまった21世紀の今、「冒険」が持つ意味も、当然そんな側面からの評論に曝され、その意義を検証されることになる。
21世紀型の「冒険」は、単に人間力の限界を示すだけでなく、それと同時にこの時代に社会が、地球環境が直面している問題に、何がしかの「命題」とその「回答」を提示するものでなければならないと我々ZEVEXでは考える。
...と、そんなことを言いながらもギリギリのスケジュールで今日も作業は進むわけだ。
この日はZEVEX一般会員の上山君もわざわざ三重県から助っ人に来て下さり、アタック隊の竹本・久松両名と共に、命綱となるそりのシステムの完成を急ぐ。
この日の進捗具合で、そりのシステムを諦めるかどうか?の最終判断を下すことにしていたので全員必死だ。
ここまで造って日本に置いて行くのは正直忍びない。
しかし、使えない物を持って行っても邪魔になるだけで運搬の費用がかさむだけだ。
一切の「甘え」を許さない「現実」の厳しさがこんな部分にも有って、既に「冒険」は始まっているのだ...ということを改めて実感する。
この日のメイン作業内容は、竹本さんが宿題で作って来てくれたそりの外板の取り付け。
思った以上に綺麗な塗装の仕上がりで、流石は本職の看板屋さんだと感心してしまった。
その他には、風車を立ち上げる単管に化粧巻きを施したり、自然エネルギーを充電する為の配線をコントローラーまで引いたり...とかなりの作業が進んだ。
やはり人数が居ると進み方が速い。
これなら何とか船積みまでに完成できそうなので、このシステムも持って行く前提で通関書類の作成に掛かることと決定した。

「白」「青」「赤」のロシアンカラーに塗り分けられたそりの外板を取り付ける竹本隊員。
本職が看板屋さんなので、正月返上で家で塗装作業をして仕上げて来てくれたのだ。

マイナス40度の世界でうっかり素手で触っても大丈夫なように、単管には化粧巻きを施した。
単管を持っているのは助っ人でドタ参してくれた上山君。
仲間達の小さな情熱を集めて「冒険」は進んで行く。

風車設置用には3連の単管ジョイントを加工して使う。

白く塗られたTOPボックスがMIDボックスの上に載ってロシアンカラーになる。
寸法がピチピチだったので、塗料の分だけ固くなってしまった。

命綱になるそり内部のシステムもほぼ完成。
少しだけだが試運転もして作動状況を確認する。
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