過去のアタック


2006年11月23日(木)
PHEV(プラグイン・ハイブリッド)で燃費50km/Lに挑戦

過去の記事を御覧頂ければわかると思うが、4WD電気自動車冒険チーム「ZEVEX」の前回の「国内アタック」は「東海道ゼロエミッションの旅」。
風車とソーラーパネルで造った電気だけを使用して走ったこのアタックは、冷静に考えれば「燃費無限大」...なんだけれども、悲しいかな恐ろしく走らなくて、3週間かかって京都市から三重県伊勢市までの約150kmを走っただけだった。

かたくなに「ゼロエミッション走行」を押し通した「東海道ゼロエミッションの旅」は、いさぎは良いがこれではチームメンバーのトレーニングにならないのも事実。
普通のサラリーマンが主体のZEVEXメンバーが付き合うには、「東海道ゼロエミッションの旅」はいささか時間の無駄が多過ぎた。

そんな訳で去年からのZEVEXの戦略はPHEV。
ゼロエミッションが必要ならいつでも戻せるしその実績も有る。
という自負を持って、相応のエミッションを甘んじて受け入ることと引き換えにチームメンバーの育成を優先させることにした。

EVジムニー「SJ2001」号をPHEV化して、電気自動車特有の運転のコツや、更に特有な電気自動車で行う四駆クロカン走行のコツなどを、効率的にメンバーが習得して行くことを目指す。

さてそのPHEV。
「相応のエミッションは甘んじて受け入る」...とは言っても、少ないなら少ないに越したことはないので、この日は久々の「国内アタック」企画として「リッター50km」の燃費に挑戦してみることにした。
昨年のテストランで既に40km/L近い数値は出していたので、発電機の稼動時間をちゃんと管理さえすれば記録達成は問題無いだろうと思っていた。

この日のアタックに参加したのは「SJ2001PHEV」のドライバーが西村、サポートカーに鈴木(ドライバー)と森嶋(タイム計測とデータ管理)、ペースカーに地元道路に詳しい大津と田邊(撮影)斉藤(充電)、このアタックに同行する毎日新聞系のWEB情報サイト「MYCOMジャーナル」記者の湯木氏はSJ2001の助手席に乗り込んだ。
強化チーム(ZEVEXを引っ張るコア集団)の面々と、この手のチャレンジをするのは非常に楽しい。
これと同じ風景がいつか真っ白な南極大陸で行われるかも?と思うとワクワクする。

アタックの詳細は「MYCOMジャーナル」に詳しいのでここでは書かない。

湯木記者の風車とソーラーで南極へ走る「ZEVEX」の冒険を是非御覧頂きたい。

PHEVはプリウスの成功で既に一般的になったハイブリッド自動車と、カリフォルニアのZEV法に沿うと2種類しかないゼロエミッション自動車(オンボード改質でない燃料電池自動車とピュアEV...エタノールにせよBDFにせよCNGにせよ、そしてこのPHEVにせよ、燃焼を伴う以上、多少なりPMやNOXやCOやHCは出る)を繋ぐ"架け橋"になる存在だ。
PHEVを運用していると、ピュアEVで「自家用車」としての不都合が発生するのは実は一年に2度か3度しかないことに自然と気付く。
そして、その不都合も外出先に充電用コンセントが有れば解決してしまう程度のちっぽけな問題であることも肌感覚として理解できる。

環境問題の解決を謳って「くるま社会」がゼロエミッションへの移行を目指すなら、一人一人のドライバーがこの「肌感覚」を持っていることは非常に重要になる。

ここ数年はPHEVから目が離せない。


出発前、湯木記者とアタックの見所などについて説明するZEVEX代表 鈴木。


出発に備えて発電機にガソリンを給油する斉藤隊員。
静電スパークを避ける為、ちゃんとアースも取っている。
流石消防団員だ。


助手席に湯木記者を乗せて進む「SJ2001」号PHEV。
ドライバーは西村隊員。
サハリンの極悪オフロードも走破した腕達者な4WDオフローダーだが、体重が重いことが燃費にどう影響するかだけが懸念材料だ。


バッテリーケース内に取り付けた温度計が上昇を始めたので、冷却を開始する為に道端でダクトの取り付け作業を行う。


今回の目的地、江ノ島の「湘南ライセンス」さんに到着。
ここでコンセントをお借りして充電する。


帰路、大和PITに戻ったところで雨が降り出した。
充電器をビニールで被って雨を防ぐ。


燃費計測の給油を行う私(鈴木)。
計量カップでちゃんと計測する。
ちょっとガソリンをこぼしたらブーイングの嵐を浴びてしまった。

燃費計測の結果は57.87km/L。
私がこぼさなければ60kmの大台に乗ったかも知れない。
ま、目標の50km/Lはクリアしたってことでお許し下さい。 > 参加各位


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