関連活動

2003年某月某日
東京風ぐるま


「EI」(OFF ROAD EXPRESS)誌の取材で、「東京臨海風力発電所」通称「東京風ぐるま」を取材しに行って来た。

一時期は「お台場に新名所誕生!!」とマスコミに注目されて、石原東京都知事がオープニングセレモニーに登場したりもしたが、今では誰も振り向く人もマスコミも居ないのが笑える。
庶民のエネルギー問題への関心度などその程度のものだ!ということを端的に証明していると言えよう。

まあ、振り向かないのにももっともな部分も有って、この「東京風ぐるま」お台場に有る...とは言っても、「ゆりかもめ」で気軽に行ける「お台場」ではなく、フジTVの角を曲がってトンネルをくぐって行ったず〜っと先、「ここもお台場っちゅうのかい!?」というゴミ捨て場の中に有る。おまけに手前1kmからは立入り禁止。
ここを「新名所」と紹介した媒体の記者はどんな感性をしているのだろう?

立っているのは、別ページで紹介している「ステファン・ケンジ・スズキ」氏の住む国デンマークを代表する「VESTAS」の大型風車。
「V52」という定格850KWの発電能力を持つモデルだ。
風車本体はデンマーク製で、タワーは韓国製。
日本の首都東京に有るのに日本製は無しかいな?
と思ったら、土台の下に埋まってるゴミは「日本製」ということらしい。
まあ、役人が絡んでやると、出来映えは概ねこんな程度になる。
どんな可能性の有る事業でも、情熱の無い人間がやって良い結果が出ることは無いということだ。


羽(ローター)の直径は52m。
回転数を毎分25回転とすると、羽の回転端は2.4秒で1回転することになるから、翼端の秒速は約68m/s。
つまり、時速245kmってことだ。
速っ!!。


ナセル(中央部分)までの高さは44m。
スタンダードより少々低い。
羽田空港に近いことも影響したとのこと。
ラガウェイ風車(蘭製)と違ってこちらは誘導発電機なので、ナセルは小さい。
デンマークの大型風力発電機は誘導発電機が主流だ。


運河を挟んだ対岸から見た風景。
遠くの背景に、常識的に言う「お台場」のテレコムセンターなどの建物が見える。


風車は全部で2機立っていて、地下ケーブルで系統連係(商業電源との接続)の設備と繋がっている。
台風等でこの連係が切れれば、風車は制御不能になって倒壊する...んじゃないか?
と私は思う。
台風の時には傍に近付かないことをお薦めする。


タワーの内部はこうなっている。
44mを梯子で登るのは大変そうだ。



TOP