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2006年08月05日(土)-2006年08月06日(日)
ERK(電動レーシングカート)筑波24時間耐久レース:(2/3)

パリダカでディーゼルクラスとガソリンクラスではエアリストリクター径に差があるように、性能差が著しいマシンを同一フィールドで競わせる場合、高性能なマシンにレギュレーションで一定のハンデを課すことがモータースポーツでは一般的だ。
今回のERK24時間レースでもそれは行われていて、特殊バッテリーを搭載可能な03クラスのマシンは、周回数に1/2の係数が掛けられることになっていた。

ナイトセッションをテールランプ脱落による30分とバッテリー充電待ちの90分、計約2時間のロスタイムに抑えた「ZEVEX RACING TEAM」は、やはり同じく充電待ちで止まっていた02クラスのチームを抜いて夜明け前には5位を走っていた。
その後30秒前後で安定した周回を続けていた我々のチームに、この24時間レースの佳境が訪れたのはチェッカーまで2時間を残した22時間経過時点のことだった。

レース中の実周回数は、本部前のホワイトボードに速報が掲示されるのだが、残り2時間を切ったところで我が「ZEVEX RACING TEAM」の周回数は1228周。
リチウムイオン・バッテリーを搭載して03クラスにエントリーするSANYO電気が送り込んで来た「愛ランドチーム」の周回数は2456周と表示されていた。

冒頭に書いたように03クラスの周回数には1/2の係数がかかる。
2456周の半分は1228周...何と22時間を走り切って4位を争うマシンが同一ラップに居た!!

「愛ランドチーム」は25〜27秒で周回している。
我々のチームは30秒を切るか切らないくらいなのでこのままでは追いつけない。
更にバッテリー交換も向こうの方が当然少ない。
...少ないが、残り時間が2時間を切ったこの時間になれば、我々のチームだってバッテリー交換は残り3〜4回ってところだ。
タイヤのバーストでも何でも1トラブル有れば逆転するチャンスはある。

残り45分。
「愛ランドチーム」は数周前を走っている。
我々のチームはバッテリー交換を済ませて新田豪泳君がPITアウトして行った。
既に満足な充電レベルにあるバッテリーは無いので、このスティントも基本戦略に従えば15分程しか走れないことになる。
ことになるが「その次」をチェッカーまで引っ張れるバッテリーがもう手持ちに無い。
充電中のOPTIMA D-1000にもうちょっと電気が入らなければ、チェッカーまで持たずにコース上ストップの可能性もある。
そうなったら万事休すだ。

残り30分。
新田君がルーチンでPITインして来た。
ここで我々のチームは最後の博打に出た。
新田君を座らせたままバッテリー電圧だけ計り「後5周して来て!!」...と再び新田君をコースに送り出した。
5周のラップとピットロードのロスタイムで5分。
バッテリー交換の作業に5分。
残り20分なら半分も電気が入っていないOPTIMA D-1000でもチェッカーまで持つ。

チェッカーまで20分。
最後のピットインを済ませて私がドライブする「VEX KART 011」がコースに戻る。
「愛ランドチーム」に抜かれるとアクセルを踏みたくなるが、バッテリーを使い切ってチェッカーを受けるのが作戦なのでグッとこらえる。

さて、そろそろラップタイムを25秒前後に上げるか!?と思った瞬間、ピットインして行く「愛ランドチーム」のマシンが見えた。
リチウムイオンといえども無限に電気が入るわけではないのでチェッカーまで持たなかったのだろう。
この瞬間我々の勝ちは決まった。
ピットインのロスタイムを3分で済ませても、その間に我々のチームは7周近くできる。
我々には7周でも「愛ランドチーム」には14周なのだ。
タイヤをいたわりながら30秒でラップしても、再び抜かれる心配はもう無い。


スタート時の先導車を努めたスバルR1e用に開発された急速充電器。
200Vを400Vに昇圧して100A前後で充電する。
レース中2度ほどデモンストレーションをやっていた。
量産型の充電器は更に小型化が進むらしい。


睡眠不足でダウンするF隊員。
焼けるような日差しを浴びながらのうたた寝姿はかなり怪しい(笑)。


筑波のオーバルはCCWなので右フロントタイヤが集中的にダメージを受ける。
バーストしたチームも結構あった。


これがSANYO電気が送りこんでK来た「愛ランド」チームのマシン。
我々と4位を争ったチームだ。


最後のスティントに出る私(鈴木)。
レギュには書いて無かったが、肋骨ガードとピット作業員のゴーグルは必着にした「ZEVEX RACING TEAM」。


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