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2006年08月05日(土)-2006年08月06日(日)
ERK(電動レーシングカート)筑波24時間耐久レース:(3/3)

2006年08月06日午後03時、世界初の電気自動車による24時間耐久レースは幕を閉じた。
4WD電気自動車冒険チームZEVEXのメンバーで組織する「ZEVEX RACING TEAM」の最終順位は4位。
24時間の総周回数は1421周、1周500mと考えると総走行距離は710.5kmに達した。

ポディウムまであと一歩の4位という順位は期待以上で、それはそれで素直に嬉しいリザルトだ。
しかし私達にはそれよりも嬉しいことがある。
それはスタッフとして24時間を通して受け持った、コースとPITエリア間の「イン・アウト」管理で1台の接触事故も無かったことだ。

競技である以上「順位」は核心で、「戦う魂」を持たない競技者は既に競技者ではないが、そんな「戦う場」を維持・継続して行くことは、順位云々を超えて更に基本的な事項だ。
レースという「場」が無ければそもそも順位もへったくれも無い。
その意味で、「競技」を持続可能なものとして維持することは、誰の為でもなくその競技者自身の為であり、上位を狙うと同時にレース自体の維持・継続に心を砕くことは、競技者としての「応分の責務」でもある。
世界初の電気自動車のレースで、そんな「応分の責務」を無事果たし終えられたことは、我々にとっては非常に嬉しい歴史となった。

現実問題として、競技の中でこのバランスを取ることは非常に難しい、「競技」の維持・継続に配慮する行為は、ミクロな現象としては多くの場合ライバルチームに塩を送る行為になってしまうからだ。
けれども、難しいことだが、それを行わない競技は遠くなく凋落の憂き目に会ことを私は知っている。
電気自動車の世界だけではなく、四駆業界でもその実例を幾つも見て来た者として確信を持って言おう。

化石燃料の時代から抜け出す為の、明確なムーブメントすらいまだに起こさない四駆業界は捨て置くとしても、潜在的に「持続可能なくるま社会」を実現する素養を持っている電気自動車の競技だからこそ、その参加者にもこの「応分の責務」を果たすことが一層求められる...と我々ZEVEXでは考えている。

だからこそ4位という順位よりも、世界で初めて実現した電気自動車の24時間耐久レースで、この「応分の責務」を果たせたことにより大きな誇らしさを感じるのだ。


最終調整に手間取って、競技途中からの参戦になった「ZEK03-ADVAN」号。
やはり恐ろしい速さだ。
20秒を切るラップでガンガン周回数を積み上げて来る。


ZEVEXのメンバーが24時間受け持つことになった周回コースとピットエリアを繋ぐ「イン・アウト」のセクション。
ピットアウトして行くのはもう1台のZEK03「SUBARU」号だ。


チェッカーフラッグは08月06日の15時。
61年前広島に原爆が落ちた日。
平和で何よりだ。


164ポイントのオフィシャル加算点が「ZEVEX RACING TEAM」の誇りだ。


北海道札幌から大阪まで、日本の東半分のエリアを跨いで集まった「ZEVEX RACING TEAM」。
「応分の責務」を果たした、誇り高き「車道楽」な仲間達だ。


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