朝日新聞(兵庫版) 2005年02月01日 朝刊 (要約)

チャレンジャー発見

氷上冒険四駆の夢支援
人がやっていないことに挑もうとする姿勢に熱いものを感じた

電気自動車の愛好者団体が、氷結した間宮海峡を自然の恵みだけで走る電動4WDで横断しようという冒険がこの27日に有る。
メーンスポンサーに四輪駆動車部品製造販売業「タニグチ」(兵庫県・姫路市)がついた。
技術面でも協力する同社の谷口社長に、その人生観を聞いた。

父親が運転する三輪自動車に接する間に自分も自動車に対する興味が膨らみ、岐阜県に有る整備士の短大に進学しました。
在学中からバギーレースを始め、大学の夜間部に進学後もかなりの情熱をレースに注ぎ込みました。
しかし、家業の人手に都合がつかず、やむなく姫路に戻り農業に従事することになりました。
ところが、その農作業で悪路に強い4WDを利用していた姿が、地元の4WD愛好者団体の目にとまり、それが縁で農閑期にマシンの修理やカスタムを請け負うようになって、後にそれが仕事になりました。
スズキジムニーという軽四駆車の部品を中心に、約300種の4WDパーツを取り扱っています。
間宮海峡横断の冒険を企画運営しているのは、ゼロエミッション自動車での冒険に挑む「ZEVEX」という団体で、その代表者がスポンサー探しで来社した時の話に夢と将来性を感じて支援を決めました。
私だけでなく、社員達も今回の冒険には夢を感じてくれたのか、休日返上で製作に当たったりと、業務の範囲を超えて協力してくれました。
完成したマシンは1月に幕張メッセで開催された「東京カスタムカーコンテスト」で優秀賞を受賞しました。
「広告」としての費用対効果が云々というよりも、既にこの冒険は社員や家族の夢に対する挑戦にもなっている、と言えると思います。

<要約、加筆文責 鈴木一史>


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