過去のアタック

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2007年05月10日(火)
PHEV日本列島縦断の旅
北海道ステージ


前日夜から行われたバッテリーの交換作業は、思った以上に難航した。
今回の旅では、モータールーム内に3個のスペアバッテリーを積んでいたが、駆動用のバッテリーにはダメとおぼしきバッテリーが5つも有った。
更に、駆動用バッテリーは電圧が低い状態なのに対し予備バッテリーは電圧が高い状態なので、充電水準(ステイト・オブ・チャージ...SOCなんて言う)の異なるバッテリーを組み合わせて充電するとバッテリーが損傷する、という問題を回避しつつ明日の走行用電気を充電する必要もあった。
この夜は地元在住のHさんがキャンプ場に遊びに来て下さったのだが、お構いするどころか修理を手伝わせてしまった。
けれどもHさんに御協力頂いたお陰も有り、何とかバッテリーを載せるまでの作業を23時には終わらせて、私と上山隊員は2時間程度の仮眠時間を確保した。

明けて深夜2時。
発電機や充電器を載せたり冷却用ファンの配線を繋ぎ直したり、といった作業を終えて、昨日牽引を始めたピンクのリボンが巻かれた杭の場所まで、まだ真っ暗な国道を戻った。
ハイラックスを運転する私は良いが、ドアの無いジムニーに乗った上山隊員はかなり寒かったようだ。

朝5時前に現場到着、バッテリーの充電水準がバラバラなので、ピュアEVでちょっと走って休憩を入れたり、マシンを止めて問題が残っている3番バンクだけ充電したり、逆にそのまま走ったり...とにかく色々やって、2〜3時間も経った頃からどうにか4つの充電器をONしたままで走らせることができるようになった。
それでもちょっと急な坂道になると問題を抱えた3番バンクの充電器が落ちる。
影響を受けて隣の4番も落ちる。
半分の充電器が落ちると1番2番も耐え切れずに落ちる...の繰り返しで、時に登坂区間だけローレンジを使って大電流が流れないようにしながらの前進を強いられた。

この日最初の充電ポイントは初山別の「真秀寺」というお寺だった。
オートバイ好きのご住職から歓待を受けつつPHEVの説明などをさせて頂く。
御仏の電気でバッテリーの調子が戻ることを願うばかりだ。
次の充電場所は隣町の羽幌にある「吉里吉里」さんというライダーズハウス。
サハリンで知り合ったオフロードライダー吉田君から御紹介を受けた。
間宮海峡アタックがこのコンセントに繋がった訳だ。
一生懸命活動すれば良い事も有るってことを実感した。

ライダーズハウス「吉里吉里」さんまでは余裕でピュアEV走行できるはずだったのだが、やはりバッテリーが不調の御様子で、羽幌の市街に入った所で電圧計が変な動きを始めた。
このバッテリーで意地でも札幌まで行かなければならないので、早めにハイブリッド走行に切り替えるが、1kmも進まない内に「吉里吉里」さんに到着できた。

「吉里吉里」さんの次の充電場所までも距離は近い。
日本でも屈指の規模を誇る「苫前ウインドファーム」、その「ユーラスエナジー」さんの現地事務所で電気を頂いた。
PHEVはコンセントで充電するので「コンセントの先に有る発電所」は気に掛かる問題だ。
現状では環境負荷が大きい発電所からの電力も混ざっているのだろうが、できれば風車のような再生可能エネルギーの電力で走りたいものだ。
チームの創設期からそれにこだわって、また実践して来た我々ZEVEXとしては尚更そう思う。

ユーラスエナジー様の事務所を出発して、予定では次も小平の風力発電所で充電させて頂ける話をお願いしていたのだが、走行中にこの日の宿泊&充電をお願いしていた「留萌ミツバチハウス」様から連絡が入り、ハウスで「日刊留萌新聞」の記者がお待ちとのこと。
燃費記録がかかっているので、できれば充電をしたいところだが、時間も既に8時だし「我々の活動を多くの人に知って頂く」ことも今回の旅の重要な目的なので、途中からハイブリッド走行に切り替えて先を急ぐことにした。

結局「留萌ミツバチハウス」様には9時過ぎに到着した。
その後取材を受け、コンビニに弁当を買いに行って食べ、この晩はドロの様に眠った。
遅れは完全に取り戻したがこの2日間は正直かなりキツかった。


この道の脇のピンク色のリボンが巻かれた場所から再スタートとなる。


天塩の風車を眺めながら、しばしバッテリーを休ませる。


初山別の「真秀寺」。


ライダーズハウス「吉里吉里」様。
カレードリア美味でした。


苫前ウインドファーム「ユーラスエナジー事務所」にて充電中。


「留萌ライダーズハウス」(写真は翌朝の撮影)。


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