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[総括] 4WD-EVによる、世界初のゼロエミッションエネルギーだけを使った厳冬期の氷結間宮海峡横断に挑戦していたZEVEX電気自動車冒険チームは、四輪駆動電気自動車「ARK-1」や装備一式と共に北緯52度15分、サハリン島で最もユーラシア大陸に近い「ポギビ村」に到達し、風車とソーラーパネルを設置して完全ゼロエミッションの天然電気を充電後海峡横断に乗り出しました。 しかし、ビザの残り期限が少ない日程でのアタックに翌日からは悪天候に追いつかれてしまい、オーバーステイによる「身柄拘束」を避ける為には海峡途中で引き返さざるを得ない状況となりました。 その結果、誠に残念ながら「海峡横断」という当初の目的を達成することは叶いませんでした。 リチウムイオンバッテリー(ENAX製)や自然エネルギー発電システム(ゼファー製)は、氷点下20度を下回る環境の中でも全く問題無く働き、また電気自動車の走行も非常に安定しておりましたので、後3日間の時間を確保できなかった不甲斐無さに心を掻きむしられる思いが致します。 当初2月22日を予定していたポギビ到着が、ポギビ村の手前100km区間の搬送を依頼していたスノーモービル業者と、彼らと結託したロシア人通訳から法外な追加料金を請求されるというトラブルに巻き込まれた為、結局28日の夜になってしまったことで、ビザの持ち時間を失うことになりました。 「人を見る目が無かった」のだと反省することしきりなのですが、前年、徒歩によって今回と全く同じルートを横断調査した時にもこの業者と通訳を使い、その時は事前の契約通り働いてくれましたので、自然の変化は予測できても人間の変化は予測できないものだと、改めて肝に銘じさせられた思いです。 これが「冒険」、これが「ロシア」ということなのでしょう。 「横断」という当初の目的は達成できませんでしたが「氷点下30度近い寒さの中でも排出物を全く出さないモビリティーが成立し得る可能性を体現できた」ことが、今回の冒険のせめてもの成果かなと考えております。 金銭的にもスタッフの力量面からも、現状では具体的な予定は全く立っておりませんが、既にアタック隊の一部にはリベンジに向けた活動を開始したメンバーもおりますので、電気自動車冒険チームとしてのモチベーションはこれまでと何ら変わること無く、間宮海峡再アタックへ、そして南極点へと向かっております。 「21世紀のくるま社会へのチャレンジ」へ向けたZEVEXの活動はまだまだ続きます。 今後共変わらぬ御声援を頂ければ幸いに存じます。 2005年4月4日 ZEVEX総責任者 鈴木 一史 |