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[アタック日誌] この日の活動は午後から。 モニェロンホテルのカフェで遅い昼食を取った後、自由市場へ買い物に行く。 マイナス30度仕様のままのズボンを履いていた谷口社長は、メーカー不明の黒いジーパンを手に入れて、すっかりホッとした様子だ。 コッシーは、布団のようなミリタリー用外套を意味不明な勢いで買って、「重い重い」と騒いでいる。 飛行機でエクセスを取られないことを祈る。 皆で過ごす最後の晩なので、夕食は「残念会」として「夜のカフェ」という名の店へ出掛ける。 1日前まで自分達がポギビの小屋に居て、井戸水を汲んで飲んで、トナカイの肉を喰っていたのが夢の中のようだ。 2次会はコッシーの部屋で行う。 間宮海峡に行っている間にトイレの内装が綺麗になっていてビックリさせられた。 ![]() 線路そばの自由市場。 自由じゃない市場も有るのだろうか? [アタック期間中に衛星電話で伝えられた速報] 詳報が入りました ... 03/06(Sun) アタック本隊@ユジノサハリンスク 14:45JST 本日になってやっと落ち着いた。 結果としてARK-1をポギビの宿舎まで運ぶのがやっとだった。 それは想定以上に雪が深かったこともあるが、背景には現地のスノーモービル屋との間にトラブルがあり、これが大きな問題として立ちはだかった。 当初の契約通り彼らが働けば、ビアフトゥ→ポギビが2泊3日。 打ち合わせ通り後発隊と合流し、2/27には海峡アタックを実現できたはずだった。 ところがスノーモービル屋は契約外の金銭を要求し、支払わなければ動かない、と言う。 その金額たるや\16万/日(日本円 現金) なんと法外な!! ナケナシのゼニをかき集めて支払えば、やっとのこと動き出しはする。 だが2〜3時間でオシマイというありさま。 まるで追い剥ぎ同然の所行!! そのような事情で5日間を費やし、途中2泊は氷点下30度の氷雪原にテントを張りビバーク。 やっとのことポギビの宿舎まで運び込めた次第。 さて帰路のと。 ARK-1をコルサコフへ運ぶ手だては? そのスノーモービル屋は、帰路にも総額約\1000万(日本円 現金)を請求している。 もうそんな手持ち金はない。 あったところで、そんな業者などは金輪際使いたくもない。 ARK-1を残置し、雪解を待って回収するしかないだろう。 ところが、ポギビ宿舎では預かれないと言う。 さもありなん。 不特定の人々が訪れる宿舎では、こちらとしても心細い。 これから預かってくれる人を捜すわけだが、それだって容易なことではないはずだ。 日程は押し詰まり、もうほとんど限界だ。 ここに至って、横断アタックは涙を飲んで断念。 アタックのための時間を、ARK-1を預かってくれる人を捜すことに費やすことに決定。 案の定、預かってくれる人を探すのに2日間を要した。 帰路はポギビからチャーター飛行機でティモフスクを経由。 昨夜(3/6)遅くに、ユジノサハリンスクへ到着。 現在は、現地旅行代理店と帰国手続きの打ち合わせ中。 出国にあたっては、持ち込んだ車両をロシア国外へ運び出すことになっている。 しかし雪解けの時期までは回収できない。 谷口と鈴木2名はその残務処理のため、 帰国は11日になる見込み。 他の6名は明日(3/7)の函館便で帰国の予定。 ... 海峡を眼の前にしての断念。 忸怩たる思いが強かった様子でした。 (O) |