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2005年02月27日(日)
EV-4WD間宮海峡ゼロエミッション横断チャレンジ


[アタック日誌/先発隊]

早朝5時。
そりの修理が終わって寝袋に潜り込んだのが4時過ぎ。
30分もせず起床。
今日こそは早朝から出発してポギビ到着を目指す...と昨晩約束してあったので、暫くすると遠くからスノモの排気音が聞こえて来た。
ポギビに到着するのならARK-1を置く位置をスノモ隊に指示する必要が有ったので、谷口社長に代わってこの日は鈴木がドライバーとして向かう。

残ったメンバーに荷物を任せて氷点下30数度の中をスノモに引かれて出発。
昨晩工具を取りに行った時はARK-1まで30分程だったので、いつもは後ろ向きに乗るそりに、この時は前向きに乗ってしまったので無茶苦茶に寒い。
時速6〜70kmで走るスノモは、4〜50cmの段差ならバンバンジャンプして超えて行く。
油断していると振り落とされそうだ。

まあ、30分程度の辛抱だから...と思っていたが、1時間走ってもスノモは止まらない。
更に悪いことにこの日のそりには紐が渡して無かったので、握れるのはそりのフレームを構成している鉄枠だけだった。
2重の手袋を通して鉄枠の冷たさが伝わって来て、握る指にだんだん感覚が無くなって行くのがわかる。
特に右手の中指がヤバイ。
氷の少ない所で飛び降りるか...と考え始めた瞬間、見たことの有る灯台が朝日の中に見えて来た。
あれは第2次調査のビデオに写っていた灯台だ。
...ということは、スノモはARK-1にではなくポギビの小屋へ向かっているのだ。
目的はもちろん追加金の集金に間違い無い。
昨晩の交渉で、これ以上の円の持ち合わせは無いから、明日ポギビへ着いたら後発隊が持っている円で支払う...と話をしていたが「金の払いが先」ってことなのだ。

それから20分後、小屋に着いて凍った指を溶かしている私に向かってワシリーが「金、金、カネ」と騒ぐ。
訳が分からないままの後発隊に金を借りて支払う。
払った以上はさっさと戻って牽引作業を開始したいのだが、「近くに用事が有る」とか言ってバロージャは出て行ってしまった。
8時間労働する気は全く無いようだ。

この日、後発隊は先発隊を探す為に2台のスノーモービルをチャーターしていたのだが、結局ポギビの小屋をバロージャが出たのは、この後発隊の出発とほぼ変わらない時間だった。

一旦狩小屋へ戻ったのが14時半。
小屋の前で後発隊からビスケットを食わせてもらって、そのまま後発隊のスノモに同乗して海岸線の3名の元を目指す。
海岸線に着いたのは15時半。
輿石・野口の両隊員と谷口社長は、丸12時間半何の連絡も無いままほったらかしにされた訳だ。

百万語も言いたい文句をグッと飲み込んでとにかく北を目指す。
しかし、時間から言って、もうこの日のポギビ到着は不可能だ。
ナイトランをするなら別だが、氷の割れ目に落ちれば一巻の終わりなので、そんなリスクは冒せない。

18時。
案の定、ポギビから15km程手前でスノモ道を外したバロージャが、ARK-1を氷の割れ目に落とす。
幸い右前輪だけだったので大勢に影響は無かったがヒヤヒヤもんだ。
恨み辛みは除いて運送屋として見ても仕事が雑で怖い。
「市場原理」が働かない資本主義は恐ろしい。

この夜、日本チームは割れ目に落ちた電気自動車の横でテント泊。
ワシリーは右手に我々が買った食糧を、左脇にウォッカを抱えて「じゃあ!!」と言ってロシア側のスノモに乗って小屋へ消えて行く。
バロージャにとって、ワシリーは「仕事」を持って来てくれる「顧客」に当たるハズだ。
「客」が「従業員」にどうしてここまで媚びるのか?
提灯持ちも、ここまで来ると謎だ。


氷の割れ目に右前輪を落としたARK-1号。
この日は、この横にテントを張って寝たが、翌朝割れ目から海水がしみ出しているのを見て、慌てて引っ張り上げた。



[アタック日誌/後発隊]

後発隊:「サラリーマンオフローダーにも冒険を」をコンセプトに冒険の佳境部分だけに参加する別働隊。
今回はチャーター機でポギビ入りし、大陸側へ抜けてウラジオストクから帰国した。


スノーモービル隊に半ば強制的にポキビまで連れて来られた鈴木。
とりあえずは凍傷になった指の治癒にあたる。



[アタック期間中に衛星電話で伝えられた速報]

02/27(Sun)
14:10JST ARK-1はポギビ南40km。ソリはさらに後方約10km。

まずは、昨日の動きから。
後発隊は早朝にティモフスクに到着。
そのままチャーター飛行機に乗り変え、夕刻ポギビ着。
ところが、もう着いているはずの先発隊がまだいない!?
実は、その頃先発隊はポギビに向けて氷雪と格闘しながら移動中だった。
ところがポギビの南約50kmあたりでソリがついに壊れてしまった。
恐るべし、間宮海峡の氷雪。
一昨日改造したにもかかわらずそれでも強度不足だった。
この寒い中でも応急修理するしかない。
ほぼ徹夜に近い状態での作業になってしまった。
その頃後発隊は、明朝スノーモービルで先発隊を出迎えに行くことを決定。

そして今日。
先発隊では、ARK-1だけを先にポギビまで運ぶことに決めた。
その仕事は鈴木が引き受け、今朝方6時頃出発したが、氷雪で思うように進めない。
スノーモービルはARK-1の輸送に占有されるてしまった。
ソリと共に残った者は、喩え僅かではあってもとばかりに、人力で押し進めることにした。
ARK-1の先行輸送が出発して7時間も過ぎた13時頃。
いまだ約10kmしか進むめてないありさま。
とそのとき、ポギビから出迎えに出てくれた後発隊と合流。
この先の氷雪はかなり穏やかだと、逆行してきた後発隊が言う。
そのスノーモービルをソリの輸送に使える。
マンパワーも増えたので心強い。 (O)


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