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[アタック日誌] 朝8時、すっかり馴染みになったモニェロンのスタッフ達ともお別れ。 結局17日間をこのホテルで過ごしたことになる。 夏のツーリングも入れれば20日間以上だ。 腰痛を押して空港までの送迎に来てくれた社長と一緒にタクシーに乗ると「終わった」という思いが実感となって沸いて来た。 安堵感と悔しさと、でもやれるだけはやった...という満足感が混ざり合った不思議な気持ちだった。 これで私が無事帰国すれば、全隊員が大過無く冒険の期間を過ごしたことになる。 それだけでも、本当はとっても幸せなことなのだ。 ユジノ市内でも荒れてはいたが、空港に着くと大嵐。 チェックインはやっているので、まだ空港は閉鎖されてはいない様子だが、飛行機が飛べるかどうかは怪しいところだ。 イミグレーションを無事通過して待合室で待つが出発は遅れている。 しばらくして飛行機への移動が開始されて、やれやれ飛ぶのか?と思ったのもつかの間、「もう一度降りて待合室で待て」の指示。 全く最後の最後まで色々有る冒険だ。 まあ、飛ばないものは仕方が無いので、ジタバタせずにじっと待つ。 ラウンジが開いたので、顔見知りだった自動車パーツ屋のオレグと一緒にコーヒーを飲んでいると、唐突に再搭乗が始まった。 気象条件は悪化しているように感じたんだけれども、パイロットが飛ぶ気なら飛ぶんだろう。 ...で、揺れながらも何とか離陸。 同じアントノフでも「2」じゃなくて「24」にはエンジンが2個も有るからちょっとは安心な気がする。 更にはこちらはレシプロじゃなくて一応ガスタービン。 雲の上へ出ればいつでも「晴れ」だ。 函館空港に着いて、さて国内便への乗り継ぎは如何に?...などと考えながら出口の自動扉を開けるといきなりフラッシュを焚かれた。 留守番隊長として、副隊長の中野さん共々インマルサットを通じての情報をWEBにUPしたり、残務処理に残った私を支える活動の中心として奔走して下さったりした大津さんが、こっそり函館まで出迎えに来て下さっていたのだ。 知った顔を見て、「日本へ戻って来た」...と一気に緊張が取れた。 色々有った...有り過ぎた冒険だったが、4WDで、電気自動車で、自然エネルギーで、ここまでの冒険を実行した人はまだ誰も居ないだろう。 南極点走破の夢とは別に、もう一度今回の仲間達と、そしてできれば今回は参加出来なかった仲間達も一緒に、何年後かに再チャレンジしたいものだ。 その頃に4WDの冒険に夢を馳せる若い仲間が増えていたら、そいつにもこの楽しさを教えてやろう。 我々ZEVEXが「額に汗して体現」している内容は、男が一生を掛けて追いかけるに相応しい値打ちが有ると私は信じるのだから。 ![]() 函館空港の国際線出口から出てきた私(鈴木)。 乗り継ぎのことばかり考えていたので、大津さんには全く気が付いていなかった。 [アタック期間中に衛星電話で伝えられた速報] 03/18(金) 帰国時の鈴木さんから... やっと帰国できることになった今朝、ユジノサハリンスク猛吹雪で、空港に向かうにも寒く、荷物も重くて難儀しました。 さて空港で、出発にチェックインを済ませ飛行機に乗り込んでも... どのくらい待ったろうか。 飛行機から降りロビーで待機してするようにとのアナウンス。 ありゃま、ここまできてまたかよ〜〜っ 落胆しながらいたのですが、荷物は戻って来ません。 ということは、まだ飛ぶつもりはあるらしい。 やがてウラジオストック便が出るというアナウンス。 帰国へ手の光明が見え始めたような気分です。 12時半頃(現地時間)、函館行きの再搭乗がアナウンスされ、13時頃出発。 函館着が14時(日本時間)。 日本の暖かさに驚きましたが、顧みれば、最後の最後まではらはらドキドキの冒険旅行でした。 皆さまにご心配をおかけしましたが、応援いただき感謝しております。 |