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[アタック日誌/先発隊] 一足先に出発したARK-1を追って、残りのメンバーも午前11時には狩小屋を出発した。 乱氷が激しくて迂回するしかない...と予想されていた最難関のラフ湾だったが、ブリザードで氷が削られて、思った以上に平坦になっていたので、湾を突っ切るルートを採った。 これで20kmは距離が稼げる。 正午過ぎ、スノモのオーバーヒートを冷やす為にラフ湾の真ん中で待たされてる間に発電機の修理を敢行。 気温が上がっているのでどうか?と思ったが、やはりなかなか掛からない。 輿石・野口・鈴木の3名が交替でリコイルを引いて諦めかけた瞬間、コッシーの一発で一機が目を覚ました。 一機が掛かればもう一機の始動は簡単だ。 そりの蓋を閉め、室内の温度が上昇したところでリコイル...見事に一発始動だった。 ラフ湾の横断途中、正月休みを返上してJCJ岡山元支部長の竹本隊員が作ってくれたアルミラダーを改造したそりが壊れる。 横方向から無理に引いたので、貼り付けたアルミ板がめくれてしまったのだ。 ボーっとしているだけのワシリーを横目に日本側で応急修理。 「引くベクトルを考えろ!!」と言っても、内容が理解できないことは通訳のしようが無い様子だ。 まあそれもそうだ... 16時半。 ラフ岬の先端にそりが到着。 ARK-1は約10km先らしい。 まだ日は高かったが今日はここで終わりだと言う。 ワシリーの態度から察する限り、始めからこのラフ岬までしか動くつもりは無かったように思える。 発電機そりをスノモから切り離すと、我々が買った食糧ケースの中からたんまりと食い物を持ち出したワシリーは、「小屋へ行くからそりに乗れ」とロシア側のそりを指差す。 小屋に着いたらバロージャから「壊れたそりの板を修理しろ」との命令。 修理しないと牽引は不可能だと言う。ワシリーは既に食糧を切り分けてスノモチームにいそいそと振舞って完全にロシア側の太鼓持ちになっている。 醜悪な程にバロージャに媚びるワシリーの姿に吐き気がする。 ドップリと日が暮れた19時。 日本人4名はスノモに引かれて海岸線に残置した発電機そりの元へ戻る。 第3次調査の時にZEVEXの予算で買って、ワシリーに預けてあったガソリンストーブは、昨晩ワシリーが着火に失敗して火達磨になり燃料調整用の摘みが溶けてしまった。 それも2器とも... 一応私が緊急用にボルドバーナーを持ち込んではいたが、この日の夕食は発電機の熱で溶かしたパンとマンゴージュースで済ます。 夕食後にはそりの修理が待っていた、野口隊員が足の指が軽い凍傷にかかってダウンしたので、輿石隊員と鈴木の2名で、深夜3時までかかって何とか応急修理を完了させた。 ![]() 先発隊が放り出されたラフ岬とはこんな所。 深夜にハンマーをガンガンやっても苦情は来るわけない。 [アタック日誌/後発隊] 後発隊:「サラリーマンオフローダーにも冒険を」をコンセプトに冒険の佳境部分だけに参加する別働隊。 今回はチャーター機でポギビ入りし、大陸側へ抜けてウラジオストクから帰国した。 ![]() 飛行場からポキビの小屋まで歩く後発隊。 [アタック期間中に衛星電話で伝えられた速報] 02/26(Sat) 先発隊 本日の定時連絡はありませんでした。 後発隊との合流地点であるポキビに向かって移動中と思われます。 (N) |